睡眠検査入院のご案内

当院では、睡眠の病気を診断・治療するための一泊検査入院を行なっております。
すべての患者さまに検査が必要ではなく、検査だけで病気を診断はできません。
まずは外来を受診していただき、検査入院を予約していただきます。

睡眠検査とは

当院で行なっている睡眠検査は、睡眠ポリグラフ(PSG)検査と呼ばれるものです。
脳波・眼球運動・心電図・呼吸活動・脚の動きなどを記録します。

睡眠検査とは

睡眠状態を見るセンサー装置:脳波・眼球運動・筋電図

睡眠状態を見るセンサー装置

左:脳波
前頭部・中心部・後頭部に2ヶ所ずつ、合計6ヶ所に電極を設置し、脳波を記録します。
脳波記録により、患者様が起きているのか眠っているのか、眠っていれば眠りの深さはどの程度かの判定を行ないます(左)。

中:眼球運動(○)とあごの筋電図(↑)/ 右:横から見た図
睡眠関連てんかんの疑いがある場合など、必要であれば脳波電極を追加します。
眼球運動とあごの筋電図も睡眠の質を評価するために必要です。左目の目じりの下と右目の目じりの上に眼球運動を検出するための電極を設置し(中:○)、下あごに筋電図の検出のための電極を設置します(中・右:↑)。

呼吸状態を見るセンサー装置:呼吸センサー

呼吸センサー

上:鼻腔圧センサ・鼻口のサーミスタセンサ同時装着
当院では、アメリカ睡眠医学会のPSG検査判定基準に準拠し、低呼吸イベントに対して「鼻腔圧センサ」を使用し、無呼吸イベントに対して「鼻口のサーミスタセンサ」を使用して精度の高い診断が得られるように努めています。

ベルト型センサー

胸腹部の動きは無呼吸の種類を診断する上で重要です。これに関しては、当院では従来型のベルト型センサーを用いています。(上図)

胸部センサーには体位センサーを装着しています。幼児の検査では、respiratory inductive plethysmogram(RIP)という測定方法がより適していますが、成人では通常必要ではありません。当院では今後の導入課題としております。

当院のPSG検査の特徴

PSG検査を施行できる施設は全国的に増加していますが、当院の検査は、以下のような特徴があります。

①監視下検査

監視下検査

多くの施設では、PSG検査は記録用センサーを患者様に装着した後は直接患者様の様子を観察することはありません。このため、記録中にセンサーが外れ、十分な検査結果が得られない場合があります。

アメリカ睡眠医学会の睡眠検査に関する指針では、監視を伴わないPSG検査は監視下の検査に比較して明らかに信頼性が低くなることが報告されています。

当院ではセンサー装着後、日本睡眠学会認定医師と熟練した専任の検査技師が終夜にわたり患者様の様子を見守る監視下検査を行なっています。また文書による同意をしていただいた患者様は、赤外線暗視カメラと高感度マイクを用いて、実際に眠っておられる様子を記録し、いびき音や体の動きなど、さらに詳細な観察を行うことも可能です。

②精密な呼吸センサー

睡眠時無呼吸症候群の診断で最も重要なものは、呼吸イベントの正確な検出です。当院では、アメリカ睡眠医学会のPSG検査判定基準に準拠し、低呼吸イベントに対して「鼻腔圧センサ」(左)を使用し、無呼吸イベントに対して「鼻口のサーミスタセンサ」(右)を使用して精度の高い診断が得られるように努めています。

③快適で静かな検査室

当院の検査室兼病室はすべての壁面内部に遮音シートによる徹底した防音対策を施しております。10㎡以上の広さを持つ室内にシモンズ社のセミダブルベッドとテンピュール社製の低反発まくらを標準装備し、快適な検査を受けていただけるよう最大限の配慮を行なっております。
就寝時刻も可能な限り各々の患者様の生活に合わせさせていただきます。
検査後にシャワーを浴びていただくことも可能です。

検査室兼病室
検査室兼病室

PSG検査の対象となる病気

すべての病気にPSG検査が必要ではありません。
検査の対象となるのは以下のような場合です。

  1. 睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合
  2. PSG以外の手段で診断できない不眠や日中の眠気がある場合

※大部分の不眠ではPSG検査は必要なく、診察で詳細をうかがうことで診断が可能です。

PSG検査の流れ

①午後7時来院
  • 会計・次回診察予約をお済ませください。
  • シャワー・お食事などなるべく普段通りに過ごしてください。
※お食事は当院ではご用意しておりませんので、各自手配をお願いいたします。 コンビニ・出前などのご案内は可能です。
※マニキュアは検査に支障をきたしますので、検査開始まで落としてください。
※自家用車で来院の場合には、専用駐車場をご利用ください。
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②午後8時~10時 センサー装着
  • センサー装着には検査の種類により、30分~60分かかります。
  • 装着後翌日までシャワーに入れませんので、それまでにお済ませください。
  • 装着後もTVは見ていただけます。読書も可能です。
  • 就寝直前に「おやすみアンケート」の記入をお願いします。
  • 装着後トイレに行かれる方は検査担当者をお呼びください。
※携帯電話は院内医療機器に障害を及ぼす可能性がありますので、電源をお切りください。緊急連絡が必要な場合は検査担当者にお知らせください。
③翌日午前6時~7時 モニター取り外し
  • センサーを外した後はのりが髪に付着していますので、シャワーをご利用ください。
  • 「おはようアンケート」をご記入ください。
  • 診察はありません。午前8時までにお帰りください。